数々の介護施設に訪問をしていると、高齢者が座っている時間が長いことに気が付きます。
確かに行動量も少なくなるのですから、自然と座わる・横になっている時間が増えます。

今まで、ほとんどの方が重視をしていない「座る」の姿勢
実は高齢者では、体調の管理・認知症予防の観点からも非常に大切だと思うのです。

座る→立つ→歩くは人の成長過程

人間が生まれてから歩き始めるまでの過程を思い出してください。


上の表の順で身体機能が発達することが通常です。
寝返りができるようになり、脊柱起立筋群が発達します。
これは姿勢を維持するための身体の準備です。

次にハイハイをして、股関節のはまりを深くします。
座る、立つためのトレーニングが始まります。
しっかりとハイハイをすることによって、股関節が安定します。

そしてお座り時期になると、坐骨の意識が出てきます。
まだまだ筋力ができていないので、バランスをとらないと座ることができません。
そのためには坐骨をしっかりと立てて、座る必要があります。

これらの準備期間を経てようやく「立つ」ことができるのです。
立つこともまた、歩くための準備です。
足裏を地面に接地し、足裏からの情報を脳に送信しバランスをとるのです。

「座る」を見直す

赤ちゃんの成長過程から考えると、「座る」ことの重要性がわかります。
「座る」ができないと「立つ」「歩く」もできないのです。
つまり、「立つ」「歩く」が不安定な人は、「座る」の見直しが必要なのです。

どなたも「座る」ことに関しては無頓着な気がします。
「座る」姿勢が少々、不安定だとしても特に不便はないし・・・
と、思うかもしれません。

しかし一日、長い時間「座る」の姿勢をとっているのです。
その影響は、とても大きいです。

呼吸・嚥下機能・難聴・身体のゆがみ・むくみ・自律神経の乱れ・不眠・歯ぎしり・その他

座り心地の悪い椅子に何時間も座ることは、拷問です。
気持ちもおかしくなるでしょう。

法則①坐骨を意識して座る

坐骨とはその名前の通り、骨盤の下の方にあり座るときに座面に当たる部分を言います。
坐骨の意識がなく座っている高齢者の、なんと多いことでしょうか。
リンクの動画をご覧ください。
坐骨の意識を活性化することができます。


AWARENESS ANATOMY®ANALYZE 「坐骨で座る」出典:STUDiO PiVOT

坐骨が活性化されると、骨盤の位置が変わり背中の丸まりが緩和されます。
椅子体操を行っている施設も多いと思いますが、その前に準備体操で坐骨の意識をしてもらうと体操がより効果的になるはずです。

法則②足裏は床に接地!

足裏にはメカノレセプターという安定した姿勢を保つセンサーがあり、足裏の刺激を脳に信号で送信しています。
足裏が床に接地をしていないと、センサーが発動しません。
それでは姿勢の維持が困難になります。

ですから必ず、足裏はしっかりと床に接地している必要があるのです。
また足が床に着かずにブラブラしているのは、むくみの原因にもなります。

法則③椅子を選ぶ

法則①② ともに椅子の高さはとても重要です。
身体の大きさによって、合う椅子は変わります。
洋服や靴を身体に合わせるように、椅子も自分に合ったものを選ぶことが理想です。

そして車椅子の使い方にも問題があります。
2年前の記事です。
座っている時の足もとチェック!高齢者フットケア

車椅子は移動のための道具です。
長時間、座るために作られれていません。
座面は不安定なので、坐骨の意識が出てきません。
足の位置も、ステップに乗せてもメカノレセプターは働きません。
なぜならステップが不安定だからです。

長時間の車椅子
車椅子での食事 

この2点は非常に危険です。

以上、「座る」についてまとめてみました。
動画のワークはぜひ、どなたもやってみて下さい。
自分自身の体感が増えることで、ご利用者に還元できることも増えるのです。