高齢者訪問フットケア
介護予防セラピスト中西です。
前記事でハイヒールを履くとなぜ、外反母趾になるのかをご説明しました。
もっと深く、ハイヒールを履いている状態の歩行を考えてみましょう。
ハイヒールの時には、前足部とカカトのみが着地しています。
正しい歩行のルートを確認しましょう。
①カカトで着地して、②小指に移動し、③親指に抜けるのが正しい歩行の体重移動です。
ハイヒールで歩く時にはカカトと前足部しか着地していないので②が抜けてしまう事になるのです。
では②の時に、足裏ではなく体全体はどうなっているでしょうか?
歩行は左右の足を順番に出して移動することです。
片足ずつ交互に体重が移動していますね。
②足裏は返し(あおり)動作が起きています。
逆の足は地を蹴って、①の動作に移る準備をしています。
つまり②の時には体重の多くが片足に掛かっている事になります。
そして③で地を蹴って逆の足が次の1歩を踏み出すのです。
この繰り返しが「歩行」です。
②がの過程がないハイヒールでは、ダイレクトにカカトから前足部に体重が掛かります。
そして②がないために、しっかりと地を蹴る事も難しくなるのです。
ハイヒールで歩いている方の多くは、膝が伸びきらずに曲がったままです。
歩幅も狭く、背中も丸まり目線も下に向きがちです。
特に日本人は多い歩き方です。
これも②から③の動作が、スムーズでないからと言えます。
ノルディックウォーキングのポールは②③の動作を助けるための道具です。
足裏を正しく使う事によって、身体の機能も正しく使えるので負担も掛からないのです。
身体を正しく使えることによって、筋肉も活発に働き代謝も良くなります。
上記の理由から、ハイヒールでの歩行は身体に負担が掛かるという訳です。
その結果のひとつが外反母趾です。
※外反母趾の原因はハイヒールだけではありません。
男性の外反母趾の方もいらっしゃいます。