私ごとですが今年、介護認定で初めて父親が介護2になりました。

認知症の症状も、少なからず出てきています。

忘れっぽいことに加え、自分のワガママを通すような言動があり、通らないとキレて怒鳴りだします。

よく認知症は子供の心に戻ると言われますが、果たしてそうなのだろうか?と、父を思い、考えました。

例え親子でも、相手の気持ちを理解することはできない

当たり前ですが、父とは私が生まれた時からの付き合いです。

口数の少ない父ではありますが、40年以上も付き合っているのです。

しかし、親子といっても自分以外の人間の気持ちを理解することは無理です。

夫婦でも友達でもいくら信頼関係があっても、100パーセントの理解は無理でしょう。

他人だけでなく、自分で自分の気持ちを理解できていない人も案外、多いのではないでしょうか?

ですから、相手に言われたその言葉は、相手の気持ちの半分程度でもないのかもしれません。

特に認知症、高齢になると会話の言葉の数も少なくなる方が多いです。

物事を詳細に相手に訴えることが、難しくなるからのように思います。

それでも発している本人は以前と同じように、気持ちや状況を分かってもらえるはずとの思い込みから、伝わらないと怒り出したり、悲しくなったり、伝えることを辞めてしまうのではないでしょうか?

我慢のフタが外れてしまう

もちろん、若い頃でも相手に気持ちが伝わらないことは多々あります。

それでも何とか相手に不快な思いをさせないように気をつけたり、何とか理解をしようと努力をします。

しかし、認知症になると我慢のフタが外れてしまったように、相手の気持ちや状況を理解しようとしないで一方的になることがあります。

父のように、自分の思いが伝わらずに怒鳴りだす、また同じことを何度も繰り返す人もいます。

また特定のことが気になり、我慢できずにこだわりを持つ人もいます。

「お金」「家」「ご飯の支度」「配偶者」「お酒」その他・・・

おそらく今までの長い人生で、我慢を強いられたきたことが「執着」として出てくるのです。

そして、溢れ出した気持ちの我慢のフタが外れて、理性が効かなくなるのではないでしょうか?

私の父の場合は「お酒」です。

長い人生で様々なストレスを「お酒」でしか、解決をしてこなかったのです。

今、「お酒」から離れないといけない状況になり、その他の不安の解決法がなく、不安で仕方ないのです。

不安な気持ちに触れられたとき、我慢のフタはあっという間に外れて怒鳴り出すのだと思います。

もしかしたら、我慢を多くしてきた人の方が、認知症のリスクは大きいのかもしれません。

※あくまでも私の考えです。

日常は我慢の連続、ストレスを溜め込まない術

高齢になったからといって、全ての人の我慢のフタが外れやすい訳ではありません。

認知症を患っている方でも、平穏に生活をしている方もいらっしゃいます。

どうしたら、「我慢のフタ」を外さずにいられるのか?

日常、我慢やストレスに溢れています。

家族の病気や死、離婚、失恋、転職、仕事などは自覚しやすい大きなストレスです。

電車が遅れた、LINEの返信がこない、子供の成績が振るわない・・・

など、些細ではありますがこれもストレス。

日常に溢れるストレスを溜め込まず都度、解消することができれば、我慢も小さく済むことができます。

ストレスを小さいうちに解消できる術があると、我慢のフタは外れることがないのだと思うのです。

小さなストレスの解消を日常化することで、大きなストレスにも向き合えるスタンスが取れるのではないでしょうか?

これも日頃の練習です。

性格も大きく関わるとは思いますが、先ずはストレスを感じた時の自身の気持ちと向き合う必要があります。

例えば、先に話しました私の父の件。

彼に怒鳴られた私は非常に不愉快です。

そして、ストレスを感じます。

では何故か?と自分に問うのです。

そこには、父と同じ気持ちがありました。

「なぜ、私の気持ちが分からないの?」

理性も老化する?

少し前の文章に戻ると、「相手の気持ちは100パーセントの理解は無理!」と私自身が書いています。

つまり、お互い無理なことを相手に求めているのです。

そこでイ、ライラ、ストレスを感じても仕方のないことなのです。

お互い様なのですから、「認知症」は関係ないですね。

その無理な自分の気持ちを理性で我慢するのか、我慢のフタが外れて怒鳴るのかの違いなだけです。

私も以前、その自分の気持ちに向き合うことなく「イライラ」「怒り」「不快」の感情にのみ、スポットを当てていました。

負の感情にのみ向き合っているのですから、ストレスを解消できるわけがないのです

我慢、ストレスと上手く付き合えないと、「理性」の老化も早まるのかもしれません。

意識して呼吸をする

イライラ、ムカムカ、不快な気持ちの時に身体の中に何かが、溜まっているイメージがあります。

身体に現れる変化に敏感になると分かりやすいです。

例えば、父に怒鳴られた時の私の体の変化です。

みずおち付近がズシンと重くなり、息苦しい気持ち。

そんな時、その重い感覚を確認しながら、意識的に「呼吸」をします。

大きく、ため息が出ることもあります。

ため息って、楽しい時にはあまり出ませんよね。

身体がストレスで緊張をして、固くなると呼吸が浅くなるので、体の中から呼吸に意識を向けるように「ため息」が出るのかもしれません。

先ずは出さないと、入らないの法則は「呼吸」も同じです。

呼吸は 

吐く=副交感神経 吸う=交感神経

気持ちを落ち着けるには副交感神経由来である、「吐く息」を意識することです。

そしてまた身体の変化を観察。

副交感神経が優位になると、気持ちが落ち着き、身体の緊張も緩まります。

自分の気持ちを観察。

少し気持ちがラクになっている?

相手にばかり責任を押し付けるような考えを改められている?

この繰り返しが、自分でストレスや我慢を消化する練習になっているように思います。

フットケアサービスで認知症予防

認知症の効果的な治療も、予防も未だ不明です。

ですが、我慢やストレスの許容範囲が溢れ出して結果の病気だとしたら、今日からできることは今ある、小さなストレスや我慢を放置しないことだと思うのです。

施設に入っている高齢者のお客様と日々、お付き合いをさせて頂いています。

平穏な日常の中にも、体調の変化や家族のことなどストレスは誰にでもあります。

先ほど、身体に溜め込まないことがストレスのこまめな解消と言いました。

呼吸で出す(吐く)ことに意識をしたように、言葉にして出すことも有効です。

私たちは家族でもない、スタッフでもない、月に1度のお付き合いの施術者です。

でも、お身体に触れ、長くお付き合いをさせて頂いているうちに、信頼関係を築ける間柄になっています。

私たちはお客様の小さなストレスの言葉にただただ、耳を傾けます。

お客様のストレスや我慢の消化に、私たちのフットケアが役に立てていたら幸いです。

そして私たちのフットケアは、足のケアからお客様の安心に繋がる、サービスを提供する努力をしています。

私は10年この仕事に携わり、今後のフットケアは足だけにとらわれなることはないと考えています。

そして「認知症」は人ごとではない、自分の問題だと思えてなりません。