訪問フットケア
介護予防セラピスト中西です。
昨日は「国際福祉サミット2013」に参加して勉強してきました。
日本にいると他の国からどう見られているか分かりません。
また他国のことも、ほとんどの情報がメディアを通じてしか得ることができません。
特に福祉のことは具体的には中々、他国の状況を知る機会がありません。
昨日の講演は・・・
- デンマークにおける高齢者・障がい者福祉システム
- 韓国における高齢者向け住宅型福祉施設の概要
- いきがいのある場所創り(アメリカ)
- 認知症に寄り添う地方コミュニティ成立までの道のり(イギリス)
特に心に残ったのがアメリカの講師による、アメリカ発祥のエデンオルタナティブについての講演。
簡単に言うと、施設で暮らす高齢者を蝕む「孤独・退屈・無力感」の3大伝染病をますそう!
という考えから始まったもので効率優先の環境を変え、高齢者が最期の時まで住みやすい施設にするために組織の意識改革をしよう!
と言うのがエデンオルタナティブの理念です。
施設に入居している高齢者のほとんどは「孤独感・無力感・退屈」と常に戦っていると言う言葉に納得しました。
変化のない毎日、必要とされない無力感、そして大勢の中にいても孤独。
これはケア中の会話の中にも読み取れることが多々あります。
ではそれをどうやって解決していけば良いのか。
世代を超えた友達つくり、意味のある行動、選択の自由など・・・
今の私たちには当たり前の環境が、高齢者になると当たり前ではなくなってしまうのです。
今の当たり前を施設に入居していても、可能な限り実現すること、その努力をすることが高齢者の幸せに繋がることなのです。
主催の福祉法人の介護施設にも訪問ケアで入らせて頂いています。
ある施設では、施術ルームを設けて下さっています。
そして元気な方はお部屋からご自分で施術ルームまで来て下さります。
お金の管理ができる方は、現金のやり取りもします。
そこにご自身の選択があって、ケアがあるのです。
こちらでフットケア導入に至るまでの経緯を思い出しました。
足の健康を保つのならば、スタッフがフットケアをできるように教育をしましょうか?と提案をしました。
「それでは意味がない、あなたが施術に入ることに意味があるのです」
と言われたことがありました。
決してスタッフ・看護師の足の理解が必要ないと言う内容ではありません。
セラピストがセラピストとして、ケアに当たることに意味があるのです。
と言って下さったのでした。
スタッフや看護師のケアでは、日常の延長なのです。
私たちセラピストがフットケアの介入することの大切な意味を、私よりも深く理解してくださっての言葉だったのでした。
ケアは短い時間ではありますが、セラピストがしっかりクライアントと足を通して向き合いう時間でもあります。
男女問わずにケア中、しゃべりっぱなしの方が多いです。
昔のこと。家族のこと。身体のこと。心配ごと。死ぬときのこと。
涙を見ることも度々あります。
様々なお話をセラピストは聴き、受け止めます。
時には私が人生の大先輩に相談をさせてもらうこともあります。
セラピストの介入は高齢者を蝕む三大病「孤独感・無力感・退屈」の対処療法でもあるのだと思いました。
そして、セラピストフットケアの可能性がまだまだあるのだと確信したのでした。