介護予防セラピスト
訪問フットケア中西です。
施術で肩の痛みの訴えの方が2名続きました。
性別・年齢は違えど痛みの部位はほぼ同じでした。
腕を挙げると痛みが出るのも同じ。
いわゆる四十肩・五十肩ではないかと思います。
※診断はできかねますので想定しただけです。
腕を挙げると痛みが出る所は「三角筋」
肩を鎧のように覆っている大きな筋肉です。
三角筋は、腕を前後左右上下あらゆる方向に動かす際に働く可動範囲の広い筋肉です。
ここで、説明を入れさせて頂くと筋肉には「速筋」と「遅筋」があります。
速筋=収縮性が大きく、瞬発力があり大きな力を出すことができる筋肉です。瞬発力はありますが持久力がなく疲れやすくアウターマッスルとも言われ、身体の外側を覆っていて触れることができます。鍛えると筋肥大と言って、大きくたくましくなります。「力こぶ」は、上腕二等筋を鍛えることによって、筋断面積が増えて太くこぶのようになったものです。
遅筋=遅筋は比較的小さな筋肉でゆっくり収縮し、持久力がある筋肉です。遅筋は筋肥大しにくい筋肉ですが疲れにくく、長距離選手などはこの遅筋が発達しています。インナーマッスルは身体の深層部にあり、姿勢の保持や関節の位置調整などに働いています。
「三角筋」は速筋(アウターマッスル)です。
肩関節は身体の中でも、自由に動くことのできる可動域の広い関節です。
と、言うことは関節の位置調整をするインナーマッスルもしっかり働いてもらう必要があります。
そして大切なことは肩はどこから始まっているのかの認識です。
「二の腕って言うけれど、一の腕はどこから?」
腕が肩甲骨から始まっているのならば、肩も同様に肩甲骨から始まっていると考えられます。
肩甲骨が柔軟に動き、肩甲骨から腕を上げたり前方に出してりとできてることが理想です。
では肩甲骨を動かしている筋肉は?
肩のインナーマッスルは総称して「ローテーターカフ」と呼ばれています。
棘上筋・棘下筋・肩甲下筋・小円筋 の4つです。
肩と言えばのインナーマッスルであり、肩甲骨に付いて動かしている筋肉でもあります。
※イラストが見つからず、添付できませんでした。
お身体を見せて頂くと、お二方とも肩甲骨の動きが悪いのです。
もちろんローテーターカフも固まっていました。
お一人は女性で、三角筋はそれほど発達しているように見えませんでしたが、お一人は男性で三角筋が大きく発達していました。
実はローテーターカフ以外にも、肩甲骨の動きに大きく貢献している筋肉があります。
それは「前鋸筋」です。
肩甲骨の裏側と肋骨をつなぐ筋肉で脇に位置します。
腕を前に思い切り出すときに作用するので、ボクサー筋とも呼ばれています。
前鋸筋があまり動かなくても、腕は上がりますが、三角筋に依存することになります。
アウターマッスルである三角筋は、瞬発力はありますが持久力はなく長く依存すると痛みがでることがあります。
また三角筋が頻繁に使われることによって、大きく発達するとインナーマッスルとのバランスが崩れてトラブルに発展することになります。
この前鋸筋にアプローチをしてみた結果、お二人とも肩甲骨の動きが出てきたのでした。
身体の変化、繋がりが面白くて帰宅後に「前鋸筋」について調べたのでした。
素晴らしく肩甲骨が動いているのが広島カープの前田投手。
腕が背中から始まっているのがよく分かります。
これ試しに真似してみて下さい。
見るよりもかなり難しいです。
三角筋に力が入ることを、感じられる方もいらっしゃると思います。
そして腕の動きの他に注目してもらいたいのが、下肢の安定です。
しっかりと地に足がついています。
土台の安定があって、腕の自由度が上がるのです。
前田選手の体操ですが、早く行う必要はありません。
ゆっくりと肩甲骨から動かすことを意識して行ってみて下さい。