介護予防セラピスト中西です。
高齢者によくある肥厚爪
高齢者に多くある「肥厚爪」(ひこうそう)とは?
爪切りで切るのは困難なくらい、爪が厚くなる変形です。
爪が厚くなっていると言っても、タイプは人それぞれ。
爪自体が厚くなっているタイプもあれば、爪が何層にも重なりあって厚くなっているタイプもあり。
また爪中の角質が多く、盛り上がって厚くなっているタイプもあります。
ご家族でできる、肥厚爪の対処
1.足浴をして柔らかいブラシで爪の周りの汚れを落とす。
2.やすりで長さ・厚みを整える
もし痛みがあるようでしたら、皮膚に爪または角質が刺さっていることが考えられます。
足浴をして爪周りや爪を柔らかくして、爪の周りや足を清潔にすることが重要です。
汚れが落ちると痛みも軽減する場合があります。
そして通常の爪切りでは厚みがあり、とても切れない場合はヤスリで根気よく長さや厚みを整えていきましょう。
一日できれいに整えるのはとても無理ですが、それで構いません。
むしろ、その方が安全です。
道具も技術も整っていない環境で、一度にきれいにしようと考えるのは危険です。
実際、技術も道具も揃っていますが私も一度に薄く削ってしまうことはしません。
それには理由があります。
厚くなった爪は少しずつ整える
厚くなってしまった爪、1日や2日で厚くなった訳ではありません。
1ヶ月や2ヶ月でもないでしょう。
長い時間がかかって厚くなったのです。
そしてそれには訳があります。
厚くなっってしまった爪が悪い訳ではないのです。
厚くなってしまったのには訳があり、それはご自身の身体の使い方にあります。
爪が厚くなることによって、身体のバランスを何とかとっているのです。
その爪をいきなり厚みを薄くしてしまうのは、歩いている方なら特に危険です!
私たちフットケア従事者は、
「深爪も転倒の危険が高くなります!」と言っています。
その通りです。
爪切りとメカノレセプター
正しく爪を切らないと、メカノレセプターが正しく作動しないために転倒の確率が高まるのです。
ですが、メカノレセプターを何とか作動させようと厚くなった爪を一度に削ってしまうのもまた危険ではないでしょうか?
ゆっくりと少しづつ削り、同時進行でメカノレセプターを正しく作動させる身体に戻していくことが大切です。
見た目の美しさや、キレイさにとらわれるよりも、どうして爪が厚くなってしまったのかを追求していくことが安全なのです。
2013/1/5 投稿記事
2016/6/21 記事修正加筆