高齢者訪問フットケア
介護予防セラピスト中西です。
高齢者の足を多く拝見していると、外反母趾の方が多くいらっしゃいます。
「若い時にハイヒールを履かなければよかった・・・」
との後悔のお言葉も、耳にすることがあります。
外反母趾とは・・・
上のイラストの様に中足骨が外側に貼り出し、母趾と角度が付いてしまっている足の形です。
では何故、ハイヒールを履き続けると外反母趾になると言われるのでしょうか?
まず、足裏の面積は体全体のたった2%です。
立っている時には、2%の面積に全体重が掛かっていることになります。
歩行時や、走行時、スポーツの時には体重の数倍の重みが足裏にかかることになります。
この衝撃を和らげる仕組みが、足裏のアーチ構造です。
足裏の3つのアーチのクッション機能によって、大きな衝撃から身を守っているのです。
しかしハイヒールを履いた状態の足は前足部に体重が掛かり、不安定な姿勢が継続します。
通常でさえ2%しかない足裏の面積、ハイヒールではその半分以下になります。
上の写真を見て頂くと良く分かるかと思います。
前足部に負担が大きくかかり不安定なため、かかとが内側に倒れこんでいます。
そして、衝撃を和らげてくれる足裏のアーチは全く機能していません。
前足部に大きな負担が掛かるため、横のアーチがつぶれたままになっています。
そして、かかとが内側に倒れこんでしまうと、爪先は進行方向を向いてないことになります。
膝もかかとも内側に倒れこんでいることが多いですが、そのままでは歩くことはできません。
歩くために、仕方なく足の前足部が外側に張り出し、バランスを取っていると考えられます。
これは一つの仮説であり、別の原因も色々と考えられます。
私がいつも思うことですが、ハイヒールを履くとなぜ足に良くないのか?
ハイヒールの一体、何が足に負担が掛かるのか?
それを考えていくと分かりやすいかと思います。
変形してしまった足が悪いわけではありません。
足に負担が掛かる環境でも、何とか歩くために変形したのかもしれません。
特に注意してもらいたいのが、小学生や中学生のハイヒールやブーツ。
この時期の女子はおしゃれしたい気持ちはわかりますが、まだまだ足も成長途中。
靭帯も筋肉も柔らかいので、変形しやすいのです。
そしてこの時期の足のトラブルは、将来の腰痛や膝痛に繋がる可能性が高いです。
くれぐれもお気を付け下さい。