フットケアで知覚を刺激する<皮膚は最大の感覚器>

前記事で、皮膚が人体最大の感覚器であることを説明しました。

そのことを施術者が理解をすることが、大切です。

なぜなら、人体最大の感覚器である皮膚への刺激を利用して、フットケアに取り入れることによって、フットケアが足だけにとどまらない効果を広げることができるからです。

さらに、その理解はスムーズなコミュニケーションのツールとしても役に立ちます。

コミュニケーションとは、感覚器による情報交換

「コミュニケーション」とても便利な言葉で、誰もが使ったことがあると思います。

ですが、改めて考えてみましょう。

そもそも、コミュニケーションとは何でしょうか?

実は、「感覚器による情報交換」をコミュニケーションと言います。

例えば、会話というコミュニケーションは、言葉を発して耳で聴き取り理解をして、また言葉を返す繰り返しです。

そこには音を聴き取る「聴覚」が使われるほか、表情を読み取る「視覚」も使われます。

会話の内容で、空気が重く・軽く感じることも経験があるのではないでしょうか?

これは「皮膚感覚」が使われています。

信頼関係のある人に触れられると、心地良く落ち着く感じがありますが、満員電車に詰め込まれた時の接触は不快に感じる人が多いと思います。

日本人は特に、皮膚感覚と気持ちが密接なのではないかと思うのです。

それは多くの慣用句や、例えがあることにみて取れます。

上記のように、その時々の気持ちを皮膚の感覚で例える言葉が多くあります。

実際の痛みや、温度などの他にも、心に受けた刺激を皮膚の感覚として受け取っていることがわかります。

皮膚は感覚器であり、自分と他人の境界線

皮膚は人体を外部から保護する役目、感覚器の役目があります。

外部から体を保護するとは、気温・湿度・紫外線・など様々な過酷な環境もありますが、心の防衛にも一役買っていると思うのです。

信頼関係がない人とは、触れられることにストレスを感じます。

そこで、安心できるように距離をおきます。

信頼関係ができている人との、皮膚の接触は心地が良く、その距離も近くなります。

改めて確認です。・・・コミュニケーションは感覚器を使った情報交換です。

ですから、一方通行ではコミュニケーションとは言えないのです。

お互い情報を発信し、受け取る準備があって成り立つのです。

そして、コミュニケーションの目的は「自分を理解をしてもらいたい」との、欲求あってこそではないでしょうか?

そして最終目的は、平穏・幸せ・安心 だと思うのです。

ここで、フットケア施術者として考えます。

私たち施術者は当然ですが、足に触れてケアを行います。

ケアを心地良い時間にするためには、信頼関係が大切になってきます。

そして信頼関係ができれば、皮膚からの刺激とフットケアとの相乗効果が期待できると言えます。

では、どのように信頼関係をつくっているでしょうか?

それは、極々当たり前のことの積み重ねです。

当たり前の積み重ねが、信頼関係をつくる

私たちのお客様の多くに、認知症の症状がみられます。

毎月のケアを楽しみにして下さる方もいらっしゃれば毎回、フットケアをしていることを忘れて「初めてだわ」とおっしゃる方もいらっしゃいます。

ですが、お客様がどのような方でも変わらない、「当たり前」をすることが大切です。

ご挨拶
名前を名乗る(初回なら自己紹介)
何をしにきたのかを説明する
どのようなケアをするのかを都度、伝える
ケア時に不快がないかを確認しながら進める
お客様の話に真剣に耳を傾ける
ケアが終わったことを伝える
次回の予定を伝える
ご挨拶

ケア時にお身体に触れる時は、その都度、お声をかけながら進めています。

靴・靴下を脱ぎます。
足を上げます。
アルコールで拭き取ります。(冷たく感じます)
爪を切ります。
クリームを塗ります。
足を温めます。

などなど・・・

極力、不安に感じることがないように言葉にしています。

言葉からの理解と、皮膚から受けた感覚に差がなければ、安心感につながり信頼関係ができやすくなります。

当たり前を積み重ね、安心してもらうことがコミュニケーションの準備となります。

この準備ができてこそ、触れるケアが心地良いものになるのです。

皮膚コミュニケーションで、脳活性化作戦

信頼関係ができている施術者でしたら、そのケアは心地良いものになるでしょう。

幸せホルモン「オキシトシン」〜お客様から頂いているギフト
小さな工夫で介護現場が大きく変わる〜オキシトシン大作戦

過去の記事にもありますが、「オキシトシンの分泌増加」による、体への影響は大きく多岐に渡ります。

さらに、触れられた感覚を言葉にしてもらうことで、言語化の手助けをします。

私の触れた感覚を伝え、お客様に返事をもらうのです。

「足が冷たいですが、ご自覚ありますか?」

「ふくらはぎが硬いですが、触れらた感じはどうですか?」

「むくみがありますが、足が重い感じはありますか?」

など、体感を言葉にすることで、コミュニケーションツールがダブルで進行します。

それが、脳の活性化につながるのではないかと思うのです。
※あくまでも私の考えです

実際に触れられ、問いかけて初めて、足が冷えていたことに気がつく方もいます。

フットケアをしている方でしたら、当たり前に行なっていることかもしれません。

ですが、その当たり前の行為に目的があるかどうかで、結果に違いが出るはずです。

お客様が頂いた時間がたとえ短時間でも、最大限に結果を出すことを常に考えています。

その目的は、お客様の 安心・平穏・幸せ です。